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延べ6万日分のe-モビリティ生産のトレーニング

09/10/21

延べ6万日分のe-モビリティ生産のトレーニング

09/10/21

本記事は2022年5月17日にvolkswagen.comに掲載された記事の日本語版です。

フォルクスワーゲンのエムデン工場は現在、その歴史の中で最大の変革を遂げています。電気自動車の生産準備のために、この工場には10億ユーロが投資されています。また、フォルクスワーゲンは、エスケープルームなどの革新的な方法を採用して、従業員のトレーニングを実施しています。その舞台裏を見てみましょう。

「典型的な北ドイツの天気ですね」と、ディルク イッベンは笑顔で言います。フォルクスワーゲン エムデン工場チームのスポークスパーソンは、曇り空だからといってモチベーションが低下することはありません。工場で働く約8,000人の従業員を代表して、イッベンと彼の同僚で副スーパーバイザーのシュテファニー ローレンツは研修棟の外に集まり、工場の歴史の中で最大の変革プロセスについて、従業員の視点から語りました。

e-モビリティ生産の標準化プロジェクトとしてのエムデン工場

チームのスポークスマンであるディルク イッベンは、曇りがちな北ドイツの天候とは対照的に意気揚々と仕事に取り組んでいます。

「変革およびe-モビリティへの切り替えは、エムデン工場にとって非常に重要です」と、イッベンは説明します。フォルクスワーゲンは、この工場の変革に10億ユーロを投資しいます。その目的は、電気自動車を持続可能で環境に優しい方法で生産することです。これは、カーボンニュートラルを目指すフォルクスワーゲンにとって「Way to ZERO」への重要なステップでもあります。

エムデン工場では、「エネルギー パイルズ」と呼ばれる装置を利用した地熱エネルギーの使用、バイオマス発電所からの地域熱供給を利用したエネルギー効率の高い暖房、再生可能なエネルギー源の使用など、目標に向けて具体的なプロジェクトがすでに開始されています。また、工場の屋上では、ソーラーパネルで電力を生成していますし、工場の敷地内には、風力発電機も設置されています。さらに「プラスチック廃絶」イニシアチブは、生産におけるプラスチック廃棄物の大幅な削減に役立っています。昨年以来、プラスチックの梱包材は、すでに6トン以上削減されました。

e-モビリティへの移行に合わせて、生産プロセスやサプライチェーンの脱炭素化が着々と進められ、エムデンは自動車分野でもっとも近代的な工場の1つとなり、e-モビリティの目玉プロジェクトとなっています。2022年、エムデンは人気の高いEV「ID.4(アイディ.4)」」の新たな生産拠点となります。そそして2023年、「Passat(パサート)」クラスの新しい電気自動車、「Aero B(エアロB)」」のセダンおよびエステート バージョンが生産されます。

※音声・ナレーションは英語のみとなります。

従業員向けの延べ6万日分のトレーニング

ドラート川とエムス川の北海河口のすぐ近く、エムデンのニーダーザクセン通りにある生産工場では、従業員のトレーニングが行われています。すべてのトレーニングが終了するまでには、もうしばらく時間がかかるでしょう。このトレーニングは、e-モビリティの意識を高めることから始まり、作業内容に合わせて特別に調整された生産関連のトレーニングコースで終わります。生産が開始されるまでに、約8,000人の従業員は延べ6万日をはるかに超えるトレーニングを完了することになります。

シャシーの再トレーニング

... そして、トレーニングウォール

シャシーとトレーニングウォールでの再トレーニング。

この目的のために、トレーニング棟にはいくつかのトレーニングステーションが設置されています。実際の現場を再現した生産ラインも設置されています。ここでは、生産の各段階における作業手順を学習することができます。とくに、エムデン工場の従業員にとって、電気駆動装置の部品やコンポーネントの取り扱いは、初めてのことです。「電気自動車は、従来のクルマと配線がまったく異なります」と、シュテファニー ローレンツは説明しています。

彼女はトレーニングセンターに設定されたトレーニング ウォールの横に立って、説明を続けます。トレーニング ウォールには、異なる色のコネクターが設置されています。彼女は、ジェスチャーを交えながら、さまざまなコネクターの違いについて説明します。ローレンツは右側のプラグに手を伸ばし、対応するコネクターにはめ込みます。すると、3つのライトが緑色に点滅し、作業が成功したことを示します。しかし、トレーニングの内容は、特定のコンポーネントとその使用法だけではありません。

エスケープルームでの独創的なトレーニング体験

それは、楽しい遊びから始まります。その舞台は、エスケープルームと呼ばれる場所です。チームは協力して手がかりを見つけ、パズルを解き、タスクを完了して、指定された時間内に目標を達成する必要があります。エムデンには、さまざまなトピックを扱う3つの部屋があります。参加者は、電動化だけでなく、モデルの歴史やフォルクスワーゲンというブランドの歴史についても多くのことを学びます。

シュテファニー ローレンツは、エスケープルームで多くのことを学びました。

「トレーニングセンターのエスケープルームは楽しい場所です」と、ローレンツは言います。「まず、私たちが現在置かれている状況を理解することが必要です。それは会社の歴史、つまり会社がどのように始まり、どのように発展したか、そして私たちが目標とすること、私たちが現在どこにいるのかについて学習します」

ディルク イッベンは、この独創的なソリューションにすぐに感銘を受けました。「私は、エスケープルームへの立ち入りを許可された最初の従業員の1人でした。事前の情報はなにもなく、すべてがベールに包まれていました。私が中に入ったとき、そこには魅力的な世界が広がっていました。本当に素晴しい体験でした」

チームの構築が重要です。アクリル製のボックスの両側に4人が並んでいます。ワイヤーを使って磁石を保持し、バランスを取りながら、チームで協力してジグソーパズルの7つのピースを組み合わせる必要があります。この作業では、忍耐、協調、協力が不可欠です。

エスケープルームおよび生産現場での成功は、優れたチームワークが必須条件となります。

イッベンがチームを先導して、誰がどれだけ強く引っ張るか、いつ手を放す必要があるかヒントを提供します。短い習熟期間の後、少人数のグループが一丸となって作業を開始し、問題を解決します。「エスケープルームを使用して、プロセスをうまく進めるにはチームとして協力しなければならないことを学ぶことは、本当に素晴しいアイデアです」と、イッベンは語っています。

改装された工場を再現した模型製造ホール

トレーニングはエスケープルームに留まりません。模型部品のあるテーブルで、従業員は新しい工場におけるエクステリアの製造方法のすべてを学びます。この工場では、2018年11月からe-モビリティ生産の準備を進めており、最初のプロジェクトが完了しました。

将来的にエムデンで生産予定の電気自動車「ID.4」

2020年10月から建設中の新しい組み立てホールは、将来の電気自動車生産の中心となります。このホールは、サッカー場8面分のサイズで、自然光を模した効率的なLED照明が採用されています。最新のコンベア技術、人間工学に基づいたワークステーション、完全に自動化された生産プロセスにより、この組立ホールは、未来を見据えた持続可能な自動車生産を実現しています。

ツヴィッカウで得られたe-モビリティ生産ノウハウを共有

エムデン工場では、2020年から電気自動車のみを生産しているツヴィッカウ工場と緊密に協力しています。「私たちは、これまで内燃車を生産してきましたので、e-モビリティ生産の専門知識は持っていません。私たちが知識として持っているのは、この工場で生産したハイブリッド モデルについてのみです。だからこそ、現在も、そして今後も、ツヴィッカウとの交流は非常に重要です」と、イッベンは言います。

ディルク イッベンは、ツヴィッカウ工場で得られたノウハウの共有に積極的に取り組んでいます。

エムデンにおける変革の基本的なフレームワークは、ツヴィッカウ工場で得られたノウハウの共有、創造的なトレーニング施設、生産ラインでの学習プロセスです。

「フォルクスワーゲンは、e-モビリティを推進しています。それが自動車業界の未来です」と、シュテファニー ローレンツはコメントしています。トレーニングコースと同じように、電気自動車の運転も楽しみで溢れています。ディルク イッベンは電気自動車を試乗してみました。「静かで、加速が良く、最高に楽しいクルマです!」

※音声・ナレーションは英語のみとなります。

電気自動車生産への道のり: フォルクスワーゲンのエムデン工場


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