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バッテリーの寿命電気自動車のバッテリーを修理することは可能?

2023/1/10

バッテリーの寿命電気自動車のバッテリーを修理することは可能?

2023/1/10

本記事は2021年8月30日にvolkswagen.comに掲載された記事の日本語版です。

バッテリーが壊れた場合、電気自動車はもう利用することはできなくなるのでしょうか?いいえ、通常は修理することができます。私たちは、高電圧の専門家がトレーニングを受けている、エアフルトのフォルクスワーゲン認定センターを訪問しました。

電気自動車を販売しているディーラーは、次のような質問をよく受けます。バッテリーが壊れたら、どうなるのでしょうか?数多くの人々が信じている誤解の1つは、バッテリーがそのまま廃棄されてしまうということです。しかし、それは不経済であるだけでなく、貴重な資源の無駄にもなります。それでは、電気自動車の高電圧バッテリーのメンテナンスはどのように実施され、最悪の場合、事故後に修理できるのでしょうか?

モジュール構造により修理は簡単

修理は可能です。エアフルトのフォルクスワーゲン認定センターでトレーナーを務めているヨハネス ワルターは、フォルクスワーゲン サービスパートナーの従業員に正しい修理方法を教えています。バッテリーが損傷した場合、高電圧バッテリーのモジュール構造により、部分的な修理と正確な診断が可能になります。基本的に、この方法はバッテリー全体を交換するよりも経済的です。

フォルクスワーゲンは、エアフルトとウォルフスブルグに2つの認定センターを設置しており、そこで従業員は高電圧バッテリーの専門家になるためのトレーニングを受けています。3番目のセンターは、間もなくニュルティンゲンに開設されます。センターでは、認定ワークショップの従業員が、フォルクスワーゲンの車両を適切に修理する方法を学んでいます。

バッテリーを取り外され、リフトに乗せられたフォルクスワーゲン「e-Golf(e-ゴルフ)」:最近のクルマのバッテリーシステムは基本的には修理することができます。

バッテリーのモジュール構造(写真:フォルクスワーゲン「e-up!」のバッテリー)により、修理プロセスは比較的、簡単です。

現在約1,850のドイツのフォルクスワーゲン サービス パートナーは、電気自動車のメンテナンス資格を持っており、電気自動車のサービスを行っています。また、ドイツ全土に、バッテリーの修理を専門とするサポートセンターが設置されています。ドイツのサービスネットワークには、現在265か所のそのようなセンターが含まれており、その数は2021年末までに450か所に増加する予定です。そこで働く高電圧バッテリーの専門家は、車両のバッテリーを外して作業する方法に関するトレーニングを受けています。

プロからのバッテリー メンテナンスのアドバイス

フォルクスワーゲンのサービスパートナーに、バッテリーの故障が疑われる電気自動車が入庫すると、最初に一連の診断が実施されます。これにより、バッテリーの「健康状態」(SoH=State of Health)などの重要な情報を知ることができます。この数値は、バッテリーが数年も使用されてからの蓄電容量を示しています。

電気自動車の駆動用バッテリーが、その蓄電容量を失う速度は、バッテリーのメンテナンス方法に大きく依存します。アドバイス:バッテリーを30〜70%の充電レベルに保つことが、長持ちさせる秘訣です。一般的に、バッテリーをこのレベルに保つことができれば、バッテリーの消耗を抑えることができます。このため、フォルクスワーゲンの電気自動車には、バッテリーの最大充電量を制限するためのソフトウェアが付属されています。

正確な診断が必要

検査でバッテリーの問題が判明した際、サービスパートナーがサポートセンターでない場合、車両をサポートセンターに引き渡します。問題を引き起こしているのは部品、コントロールユニット、それともバッテリーセルでしょうか?衝突事故に巻き込まれた車両の場合、専門家はバッテリーケースの変形や漏れもチェックします。潜在的なリスクが発見された場合、車両は最初にいわゆる検疫エリアに移動され、そこで隔離されて監視されます。

その後の修理は、検査の結果によって異なります。バッテリーの変形は、精密なパーツが設置されていない部分で発生する可能性がありますが、その部分には空洞があるため、バッテリーがへこんだからといって、必ずしも技術的な問題が発生しているとは限りません。「ID.(アイディ.)」ファミリーの高電圧バッテリーはサンドイッチ構造になっています。アンダーボディ プロテクションおよび冷却システムは、バッテリーセルを下から保護します。これにより、高価なセルへの損傷を防ぎます。

モジュールは交換可能ですが、セルは交換できません

バッテリーモジュール内の個々のセルの障害は簡単に診断できます。1つのセルに障害が発生した場合でも、セルを並列に配置しているため、50〜66%のバッテリー容量を維持することが可能です。しかし、モジュール内で正常に機能している残りのセルは、より過酷に「働く」必要があります。そのため、それらのセルは、より低い電圧でより高い温度に到達します。ワルターによれば、セルに障害がある場合は、モジュール全体を交換する必要があります。個々のバッテリーセルは交換できません。MEBバッテリーは、サイズに応じて7〜12個のモジュールで構成されています。

モジュール交換の費用

ワルターは、大規模なバッテリー交換の費用は、それぞれのモデルと故障の程度によって異なるため、平均価格を提示することは難しいと述べています。しかし:

バッテリー容量の70%以上が残っている場合は、1つまたは2つのモジュールを交換する価値があります。
ヨハネス スワルター

修理は「Way to ZERO」に貴重な貢献をする

エネルギーを最適化した生産を行い、グリーン電力を使用し、避けられない排出量を相殺することにより、フォルクスワーゲン「ID.3(アイディ.3)」および「ID.4(アイディ.4)」は、完全にカーボンニュートラルな状態でお客様に納車されます。

バッテリーを修理すると、耐用年数が延びます。その後は、例えば移動式または家庭内のエネルギー蓄電装置として、いわゆるセカンドライフが与えられます。

バッテリーは基本的に車両の寿命全体にわたって使用できるように設計されており、バッテリーの95%以上がライフサイクルの終わりにリサイクルできます。これを達成するために、フォルクスワーゲンはザルツギッターで専用のリサイクル施設を稼働させています。

「ACCELERATE」戦略の一環として、フォルクスワーゲン乗用車部門における電気自動車のシェアは、ヨーロッパでは2030年までに少なくとも70%に、米国と中国では50%に上昇すると予想しています。

バッテリーセル(1)を個別に交換することはできません。高電圧の専門家は、バッテリーシステム(3)からバッテリーモジュール(2)を取り外すためのトレーニングを受けています。


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