本記事は2021年4月8日にvolkswagen.comに掲載された記事の日本語版です。
デジタルによるアシスタントシステムは、私たちの日常生活に欠かせないものになっています。現在、私たちはデジタルツールを活用して、お気に入りの曲をオンデマンドで再生したり、天気予報を見たり、自宅の暖房や照明をコントロールすることができます。多くの場合、それらのシステムは、さまざまな色のライトを点灯させることによって、通信状態を表示します。これと非常によく似た機能が、「ID. Light(アイディ. ライト)」という名称で、最新世代の電気自動車、「ID.(アイディ.)」ファミリーにも導入されています。これは、フロントガラスの下に設置された細いライトストリップで、車両の乗員を直感的にサポートするように設計されています。「ID. Light」は、さまざまな光パルスを使用して、クルマの運転準備が整っているかどうか、次に曲がるべき方向、バッテリーが現在充電中であるかどうかといった情報を知らせます。
「ID.3(アイディ.3)」と「ID.4(アイディ.4)」は、新しい「ID. Light」を標準装備する最初のフォルクスワーゲン モデルです。「ID. Light」ライトストリップは、54個のマルチカラーLEDで構成され、フロントガラスの下側に沿って配置されています。したがって、このライトは、ドライバーおよびその周辺または車両外側の特定の角度からしか見ることはできません。なにより、「ID. Light」は、さまざまなカラーと点灯パターンを使用して、ドライバーと助手席乗員が直感的にシグナルの意味を理解できるようにすることで、交通状況にさらに集中できるようにします。
クルマと人との新しいタイプのコミュニケーションを目指しました。
フォルクスワーゲン ユーザーインターフェース デザイン責任者のマティアス クーンは、次のように述べています。「必要最小限でありながら、理解しやすく感情に訴えかける、特別なコミュニケーション方法を生み出すことを重視しました」ドライバーが「ID.3」または「ID.4」に乗り込むと同時、人と「機械」のコミュニケーションが始まります。
私たちは、ドライバーが直感的に理解できるように、必要なすべての情報を適切なタイミングで正確に表示して、車両のコンパニオンとして機能するアシスタント システムを開発したいと考えていました。
最新の車両は、数多くのアシスタンス システムが搭載され、ディスプレイの数も増えているため、ドライバーは、さまざまな情報に注意を払う必要があります。「車両の画面が大きくなればなるほど、ディスプレイを見て、すべての情報を把握するのに時間がかかります」と、コンポーネント開発者の1人であるDr. シュテファン フランケは述べています。「たとえば、方向を指示するナビゲーション メッセージを聞いた場合、その方向を正しく理解するために、この情報を一旦頭の中で整理する必要があります。そのため、ドライバーと直感的にコミュニケーションを取り、気が散るリスクを最小限に抑える新しい方法を見つけることが重要でした」と、4年間にわたって開発を担当したフランケは説明しています。
研究、そして開発部門は、この課題を克服し、「ID. Light」をシンプルかつスマートにするための機能の開発に多くの時間を費やしました。このコンセプトが成功した要因は、「ID. Light」が一度に1つの“メッセージ”しか表示しないことです。システムは、特定のタイミングで、もっとも重要なデータのみを表示するようにプログラムされています。ライトストリップは、フロントガラスの下部に配置され、ドライバーの周辺視界に入るため、ドライバーは道路から目を離すことなく、これらの信号を認識することができます。
すべての色とアニメーションは、親しみやすく、普遍的で、理解しやすく、慎重に構成された視覚言語に従っており、ドライバーが道路から目を離さずに必要な情報を得ることができます。「私たちは、ドライバーが直感的に理解できるように、必要なすべての情報を適切なタイミングで正確に表示して、車両のコンパニオンとして機能するアシスタント システムを開発したいと考えました」と、フォルクスワーゲン プロジェクト マネージャーのサーシャ ジーバートは説明しています。「この機能は、何か別の機械と“話している”という感覚ではなく、クルマがあらゆる状況であなたに寄り添い、あなたを見守っているように感じるでしょう」
「機能と視覚シンボルは、お客様からのフィードバックや新しいテクノロジーに基づいて拡張することが可能です」と、フォルクスワーゲン ヒューマンファクター スペシャリストのトルブ バウムガルテンは述べています。「ドライバーとクルマがコミュニケーションする“ID. Light”は、将来、この分野における様々なイノベーションのモデルになる可能性があります」
This topic was first published by Volkswagen Newsroom on 04/08/21.