本記事は2022年8月12日にvolkswagen.comに掲載された記事の日本語版です。
「ID.（アイディ.）」ファミリーでもっともエモーショナルなメンバーが登場！電気自動車の「Bulli（ブリー）」（「ID. Buzz（アイディ. バズ）」）は、生産準備のテスト段階で、灼熱地帯や極寒地帯で数え切れないほどのテスト走行を実施してきました。このトピックでは、ハイテク「Bulli」が走行し、その優れた能力を示した世界の舞台をご紹介します。
品質が偶然に向上されることはありません。最近発表された「ID. Buzz」がフォルクスワーゲンの厳しい品質要件を満たすために、この電動「Bulli」は、世界中の極端な条件下で行われる非常に過酷な一連のテストに合格する必要がありました。当然のことながら、「Bulli」のテスト先には、技術開発および品質保証部門のスタッフも同行しました。理想的なテスト場所は、人とクルマにとって、もっとも不快な場所でした。そこは、極端な場所である必要がありました。非常に乾燥した地域から湿度の高い熱帯地域まで、極端に熱い場所、乾燥地帯や湿地帯を含む極端に寒い場所、考えられるあらゆる温度と湿度を備えた場所です。道路らしい道路がどこにもない場所も数多くありました。その最終的な目標は、量産に入る前に、このクルマの能力を試すことでした。
冷凍庫のような北欧でテストする「ID. Buzz」。この電動バンは、雪に覆われた道路や、極端に低い気温でも、その性能を示さなければなりません。
寒冷地テストの目的は、素材設計、電気および電子システムの機能、シャシーのセットアップ、始動、低摩擦路面における制動と操縦、車両全体の熱管理システムなどを確認することです。
同時に、フォルクスワーゲンのエンジニアは、酷暑の南イタリアでもテストを繰り返しました。ナルドの試験施設で、性能試験とセットアップ作業が実施されました。さらに、高温環境下での長距離走行テストも実施し、極限状態におけるバッテリーの充電もテストしました。
太陽が焼けつくように照りつけ、地面は乾燥して埃まみれなっています。巧妙にカモフラージュされた白い「Bulli」は、小石で覆われたこの道と格闘しています。深いくぼみが、繰り返しクルマと乗員を揺さぶります。最新世代の「Bulli」は、ここでもその強さを示しました。テストとは、極端な場所に行くことを意味します。そのようにして初めてテクノロジーは、究極の完成度を手にすることができるのです。
あらゆる条件は、すべてのコンポーネントにとって過酷そのものです。今回は、主に「ID. Buzz」のドライビング ダイナミクス関連のコンポーネントに焦点を当ててテストが実施されました。「発売の少し前に、実際の車両で最終テストを実施します。それにより、車両全体を、お客様が実際に使用する環境でテストするのです」と、フォルクスワーゲン商用車部門の「ID. Buzz」プロジェクト リーダーであるシュテファン ルッツは説明しています。
猛暑の南イタリアで、埃まみれの道を進むカモフラージュされた「ID. Buzz」のプロトタイプ。この場所の温度は48℃に達することがあります。
従来の駆動システムを搭載した車両と同様に、フォルクスワーゲンの電気自動車も厳格なテストプログラムを受けています。これには、すべての気候条件における、日常走行の極端なケースも常に含まれます。たとえば、低温実験室では、車両の始動後にドアミラーのヒーターを作動させて、ミラーの凍結がどれくらいで除去されるのかテストします。極端な低温でも、ミラーで後方確認できなければなりません。
日常走行の多くの状況は、現実の世界でしかテストできません。たとえば、エンジニアのハラルド ベッテンハウゼンとその同僚は、この場所で縁石にボディが接触したときの影響をテストしています。この場合、凍結したプラスチック部品が折れてはなりません
「“Bulli”は、日常走行における優れた実用性で高い評価を得てきました」と、シュテファン ルッツは言います。「このため、“ID. Buzz”をすべての条件とすべての天候でテストしています。駆動システムは、冷却液、すべてのシステムと操作手順、ディスプレイと同様に、完璧に機能する必要があります。そうして初めて、このクルマが地球上のすべての地域で問題なく使用できると確信することができるのです」と、彼は付け加えています。
※音声・ナレーションは英語のみとなります。
私たちは、シャシーや駆動システムなどの従来の主要なコンポーネントだけでなく、すべての計器やディスプレイを含む新しい操作コンセプトの機能テストとストレステストに重点を置いています。新しい運転支援システムと強化されたコネクテッド機能も、過酷なテストに合格する必要があります。
氷上で寒冷地テストを行う2台の「ID. Buzz」。
“Bulli”は、日常走行における優れた実用性で高い評価を得てきました
物理的なテストと同様に、デジタルテストも実施されました。テストの専門家は、「ID. Buzz」のデジタル プロトタイプを使用して、広範囲なデジタルテストを実施しました。新しいモデルごとに、ボディ、駆動システム、シャシー、電気系統、完成車がコンピューター上で作成され、組み合わせた状態も含めて、それらの機能がシミュレーションされます。このデジタルテストにおいて、「ID. Buzz」の仮想プロトタイプは、合計数百万キロメートルを走行しました。
